今回は前回の腰椎分離症(ようついぶんりしょう)の後に起こりやすい“腰椎すべり症”について。
腰椎すべり症とは、その名の通り腰の骨がすべるようにずれてしまうことです。背骨は積み木のように重なっているものですが、積み木が崩れないように、ストッパーの働きをする突起で固定されています。特に体重のかかる腰の骨には強力な突起があるのですが、分離症のようにこの突起が折れているとストッパーの働きが出来なくなっているので、すべり症になりやすいのです。
また、すべり症には分離症が無くても発生するタイプもあります。“変性(へんせい)すべり症”と呼ばれるものです。これは分離症のように骨が折れているわけではありませんが、軟骨や骨の形が変わってしまうことで、その結果、ストッパーが効きにくくなり、すべり症が起きてしまうものです。これは高齢になるほど起こりやすくなります。どちらのすべり症も主な症状は腰痛ですが、脚の方への痛みや痺れが起こるなどの神経に異常をきたすこともあります。
重症例では歩くのさえもままならなくなることも。。。特に、すべり程度が大きい場合は要注意と言えます。ただし、必ずしもすべりの程度に症状が比例するわけではありません。レントゲンですべりが大きくても無症状であったり、わずかなすべりでも症状が強い場合もありますので、症状を含めて治療を考えていくことが必要です。
治療は、重症の場合、手術をすることもありますが、多くの場合は手術でない治療法で様子をみていきます。どちらにしても、根本的な改善法として“すべらせない”ための身体づくりや習慣の工夫が必要不可欠です。どんな腰痛もやはりここは欠かせませんね~(^.^)