今回は、幼小児期にみられる首の不具合について。
ある時、子供が首の痛みを訴えてきて、首が曲がって回せなくなってるみたい。まっすぐ向かせようとすると身体がよじれてしまう。これはいったい?
こんな経験をされた方もいることでしょう。これは、特に子供にみられる疾患で『環軸(かんじく)関節回旋位固定』と言います。
環軸関節は、首の一番上の骨“環椎”(かんつい)と二番目の“軸椎”(じくつい)でつくる関節ですが、ドーナツ型の環椎が軸椎の突起を軸にしながら回旋する構造になっています。
環軸関節回旋固定では、この環軸関節がロックされて動かなくなってしまうのです。
発症のきっかけは様々で、首を振られたり等、首に何らかの力が加わって起こることもあれば、朝起きたらそうなっていたと言うこともあります。
そのメカニズムは解明されていませんが、幼小児期は骨が未発達であるためでなりやすいと言われています。
治療は、首を安心するサポーターをしたり、首の牽引をしたりして、ほとんどの場合は1週間から10日位で治っていきますが、一部は慢性化することもあります。
慢性化すると手術が必要なこともあるため、慢性化はなるだけ避けたいものです。
予測は難しいのですが、発症後の治療開始が遅いほど慢性化しやすいとの報告もあります。
但し、これは一般的な話。
僕の経験では、頚椎の変位に応じて矯正してあげるとあっさり直ることが多いです。
もちろん痛がらせずに愛護的に。
この辺は施術家によって違うので、事前に問い合わせをしてみたほうが良いでしょう。
いずれにせよ、もしお子さんの首が曲がって戻らなくなっているようであれば、早めに専門家にご相談下さいね。