今回は、足首の捻挫について。
スポーツでも、日常でも、良く起こる足首の捻挫。
中には、クセになったように、何度もすぐに起こしてしまう方もいらっしゃいます。
捻挫とは、靭帯(じんたい)を傷めるケガのことで、その多くは関節が強い力で捻られた際に起こります。
靭帯と言うのは、関節において骨と骨とをつないでいるバンドのようなもので、骨同士を固定することで、
関節を安定して動かせるようにしているのです。
これは、とても強靭なものですが、強い力が加わってしまうと、切れてしまうこともあるのです。
この(靭帯が)切れる程度は様々で、ほんのちょっと傷つくだけのこともあれば、完全に断裂してしまうこともあります。
もちろん、切れ方が大きいほど重症で、関節は不安定になってしまうのです。
身体の一番下にある足首は、特に捻挫を起こしやすい場所です。構造的に、つま先をひっかけやすいばかりか、捻った際に体重が大きくかかるため、靭帯を傷めやすいのです。
更には、一度捻挫を起こした関節は、多くの場合、靭帯にゆるみが残ってしまいます。そのために、関節が不安定になり捻挫を再発しやすくなってしまうのです。これが「クセになる」と言われる所以です。
では、再発防止にはどうすればよいのでしょうか?それは、なんといっても初期治療にあります。万一、足首を捻挫してしまったら、しっかり治すことにつきます。
初期治療の大原則として(以前ご紹介した)RICE(S)法を施しますが、症状経過によって治療は変化させていきます。なかでも注意したいのは、『固定する』ことで、包帯やサポーターなどを用いて、切れた靭帯をしっかりくっつけます。
この時に、ろくに固定しないで、無理すればするほど、靭帯がゆるみ関節が不安定となり、その結果、すぐに捻挫するようになってしまいます。そうならないためにも、靭帯がくっつく目安の3週間は慎重に治療したいものです。一度起こった関節のゆるみは、二度と元には戻せません。
たかが捻挫、されど捻挫。一生支える大事な足首、怪我した時にはいたわってくださいね。