試合の時、誰しもベストパフォーマンスで臨みたいものです。
そのために日々練習を積むのですが、一方で「リカバリー」も欠かせません。
どんなに鍛えたとしても、リカバリー(回復)させなければ強くなりません。
それどころか思わぬケガを招くことも。
でも、日本のスポーツ界の現状としては、この「リカバリー」への意識が弱い気がしています。
もっとも、僕も練習終わったら、ろくにケアしていませんでしたが..
過去を振り返り、反省しております。
と言うことで、今回は「試合に向けたリカバリー」について。
リカバリー無き強化無し
冒頭に述べたように、どんなに鍛えても「リカバリー」がなければ強くなれません。
リカバリーはトレーニングの一部であると認識してください。
リカバリーも試合に向けた、欠かすことのできない準備です。
何事も事前準備が大事ですが、リカバリーだって同じこと。
直前に慌ててやってもリカバリーはできませんので、早め早めに取り組んで疲労蓄積を防いでください。
できる予防はすべてする
たとえば「足首を捻挫しやすい」など不安箇所がある場合は、必ずテーピングやサポーターで補強した上で練習してください。
不安箇所があれば動作バランスが乱れやすく、身体への負担が大きくなります。
不安のある関節や筋肉などは補強して、ケガはもちろん、強化につながらない“ムダな疲労”も予防しましょう。
「あの時やっておけばよかった...」 なんてことにならないためにも努めてくださいね。
戦略的に摂取しよう
アスリートが摂る食事は、内容とタイミングがとても重要です。
運動によって消耗した分を補うことが原則ですが、試合で使えるエネルギー源を蓄えることも大事です。
戦略的に栄養摂取しましょう。
参考例をご紹介しますね。
≪練習直後(毎回)≫~すぐに補給~
運動後の体内は蓄えられていた栄養が失われ、筋肉も傷ついています。
その回復のためには栄養補給が欠かせません。
補給までの時間が経つほど疲労回復が遅れるばかりか、栄養不足から「筋肉分解」をも招いてしまいます。
それを防ぐためにも“運動直後”速やかに補給しましょう。
特に重要な栄養素は「タンパク質(例:プロテイン)」と「炭水化物(例:おにぎり)」です。
≪試合1週間前~4日前≫ ~バランスよく~
基本的に通常の食事で構いませんが、バランスの良い食事を心掛けてください。
疲労物質の乳酸除去に効果的な亜鉛(牡蠣、レバーなど)や抗酸化効果の高いビタミン類(柑橘類、ごま油など)やポリフェノール(ナッツ類、ココアなど)も摂っておくと良いでしょう。
≪試合3日前~前日≫ ~グリコーゲンローディング~
『グリコーゲンローディング』と呼ばれる糖質の充電期間です。
ここで蓄えられた糖質こそが試合当日のエネルギーになるのです。
食事全体における炭水化物摂取量を大幅に増やしましょう。
また、ビタミンBI食品(豚肉、豆類、牛乳など)は、糖質のエネルギー変換効率を上げるので併せて摂っておきましょう。
試合前日は、内臓疲労を招くような脂っこいものなどは控えてくださいね。
≪試合当日≫ ~3,4時間前には済ませておこう~
試合当日の食事のポイント
・朝食は絶対に抜かない
・試合開始3~4時間前には終わらせて完全に消化させる
・消化の良い高炭水化物、低蛋白のものを
(朝食例:おかゆ+豆腐+梅干し+みかん)
・試合一時間前にはすぐに消化できるものを補食
(おすすめ補食:果汁100%ジュース、バナナ、エネルギーゼリーなど)
血流をしっかり流そう
疲労は物質として筋肉内に溜まります。
つまりこれをしっかり流してあげることが、まさに『リカバリー』と言えます。
練習後はストレッチ
筋肉に疲労が蓄積すると「肉離れ」を起こしやすくなります。
ひとたび肉離れを起こしてしまうと数週間は治りませんので、試合前などは絶対に避けなければなりません。
それを防ぐためにもストレッチを入念にしておきましょう。
ストレッチは“筋肉温が高いとき”が最もよく伸びるので、「練習直後」や「入浴時(後)」が最も効果的です。
以前「肉離れ」で書いたように、傷めやすい「ふともも」や「ふくらはぎ」は必須です。
湯船に浸かって交代浴
入浴は血流促進は勿論、精神面でも大きなリラックス効果が得られます。
試合前など心身ともに大きな負荷がかかる時ほど、是非入浴するように心掛けてください。
中でも、僕が選手に勧める入浴法は「交代浴」です。
これは「温→冷→温→冷」と繰り返すことで、血管を支配する自律神経が刺激されて血行が良くなるのです。
実は僕も毎日やっております。(「温浴or温シャワー→冷シャワー」の1クールですが)
これをやると疲れが抜ける感じがします。
無論、真冬は修行僧になった気分を味わえます。
「寒っっっ!!!」 と、想像して嫌がる声が聞こえてきそうですが、できる範囲でやってみてください。
リカバリーは睡眠中に
リカバリーにとって睡眠不足は大敵です。
睡眠中には脳や身体の休息や傷んだ箇所の修復が行われますが、睡眠不足だとその効率が確実に落ちてしまいます。
また、それだけではなく「免疫低下」や「集中力低下」が引き起こされることも分かっています。
そんな状態では風邪やケガのリスクが高まりますね。
睡眠の質を高めつつ時間も確保して、『安眠』を心掛けてください。
この影響はホント大きいです。
《安眠のためのポイント》
☆就寝1時間半~2時間前に入浴する
☆ホットミルクを飲む(蜂蜜入りがベター)
☆寝る前にバナナを食べる
☆テレビやスマホなどを見ないようにする(ゲームも)
深呼吸しよう
緊張が続いたり、疲労がたまると呼吸が浅くなりがちです。
試合が近づいてきた時こそ、深呼吸を行ってください。
僕がおすすめするのは、お腹を膨らましながら息を吸って、吐きながらお腹を戻す『腹式呼吸』です。
腹式呼吸では、身体をリラックスに導く「副交感神経」を刺激して、さらに活性化することが出来ます。
そのため「腹式呼吸をしてたら、いつのまにか寝ちゃってた」という方も少なくありません。
それだけリラックスしやすいのですが、他にも「内臓マッサージ効果」や「姿勢改善効果」もあったりします。
僕的には「ストレッチしながら」やるのがおススメです。
慣れてくると、ストレッチしている筋肉がリラックスしていくのが分かりますよ。
また、強い緊張から頭の中をリセットしたい時には「数を数える」のがおススメです。
「三秒で吸って、5秒止めて、10秒かけてゆっくり吐く」と言った具合に、頭の中でカウントしながら呼吸すると精神安定が期待できます。
これは「マインドフルネス(瞑想効果)」として有名な『478呼吸法』の応用です。
どちらにしても、試合前だけと言うよりは、習慣にしてくださいね。
これもトレーニングした方が上手になります。
最後に
リカバリーについてまとめました。
基本的なことがほとんどですね。
この基本的なことを徹底的にやれるかどうかが、間違いなくパフォーマンスを左右するのです。
勉学や仕事など忙しい中で面倒な時もあることでしょうが、そこでやれれば試合に勝つかも。。
信じるか信じないかはあなた次第です。(^J^)