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院長コラム

第58回【肉離れ】

更新日:

今回は『肉離れ』について。

①『肉離れ』とは

『肉離れ』と言う名前は皆さん聞かれたことがあるでしょう。
医学名称は前回のモモカン同様「筋挫傷」と言いますが、こちらは「筋断裂」とも呼ばれるように筋肉が切れてしまった状態です。

多くはスポーツなどで起こりますが、日常生活でも決して珍しいものではありません。傷めるメカニズムとして最も多いのは『収縮力+伸張力』で、急にダッシュしようと足で地面を蹴った瞬間など、筋肉が強く収縮しながら強制的に伸ばされた際に耐え切れず切れてしまいます。(ストレッチやこむら返りで起こることも)その瞬間には「バチッ!」と切れた感じが伝わってきたり、「何かがぶつかったかと思った」と感想を述べる方もおられます。(周囲の人に断裂音が聞こえることも)

発生しやすい筋肉は「ふくらはぎ」や「ふともも」ですが、肩腕や腹筋など、筋力が強く、伸張負荷も大きくかかりやすい筋肉であればどこにでも起こり得ます。ウォーミングアップが不十分であったり、筋疲労が溜まっていたり、日頃運動不足であったりなど悪条件が揃った時に、肉離れは発生してしまいます。特に、疲労の溜まりやすい走り込みの時期や運動量が急激に増える時などに起こりやすい傾向があります。普段運動不足のお父さんが子供の運動会などでかけっこする時などは要注意ですね。筋力は強いが柔軟性は低くなっているためハイリスク群の代表と言えます。

また、例えば太ももの前側と裏側といった主動作筋と拮抗筋の筋力の差が大きすぎると起こりやすいとも言われていますが、それも含めて、その方の持つ動作パターンが負担の集中を招いて肉離れになることも多いと思います。

②症状

肉離れの症状は以下の通り。
・痛み:圧痛、患部筋収縮&伸張痛など
・機能障害:収縮&伸張を要する関節運動不全 荷重痛による歩行障害など
・腫れ:患部からの内出血を主とした腫れ
・凹み:断端部に触知 重傷なものほど顕著
・熱感(患部に熱 炎症反応)
・皮下出血班(内出血による青あざ ← 時間経過とともに下降します)
・力が入れにくい感覚 (うまく筋肉に伝わらないような)

重症度は痛みや内出血、陥凹触知なども目安になりますが、もっともわかりやすいのがストレッチ痛です。健側(傷めてない側)と比べて、どこまでストレッチできるかが重症度の判断基準になります。(言い換えると関節可動域)無論、重症なほど治癒期間は長くなります。『モモカン』との違いに関しては前回のコラム(第57回「モモカン」)にまとめてあるので、そちらをご参照ください。

③ 初期(急性期)治療

初期治療はRICE法に準じた処置を行います。(第11回「応急処置RICE法」
内出血や炎症をいかに早く抑えるかが、早期治癒に向けた勝負所です。

短くても受傷後2~3日はRICE法を積極的に行います。特に内出血を抑えることが重要で、血腫形成を最小限にとどめることが、『骨化性筋炎※』合併の予防や治癒促進のポイントになります。

初期治療はモモカンと同様ですが、大きな違いもあります。それは「ストレッチ厳禁」です。モモカンでは「負傷筋肉を伸ばしながらアイシングする」など、早期から筋肉を伸ばしていきますが肉離れではそうは行きません。筋肉が切れているわけですから、そこを伸ばせばどうなるか?わかりますよね。

筋肉をゆるめ、断端部同士は出来るだけ近づけた状態にして保つようにします。もし断端部同士が離れていたら、治るのに時間がかかるだけでなく、瘢痕(はんこん)形成が大きくなってしまいます。

「瘢痕」とは、皮膚にできた切り傷などが治った際にそこがツルツルとした状態になっている、いわゆる「傷あと」を指します。これが肉離れにおいても断端部を接着するように形成されるのです。

この瘢痕は決して強い素材ではありません。元の筋肉よりも脆弱にできています。したがって再負傷リスクを減らすためにも瘢痕面積は少ない方が望ましく、だからこそ断端部同士はより近づけた上で患部を安静に保つ必要があるのです。

もし生活上でそれが難しければ「添え木固定」や「松葉杖」などを使うなど、少しでも負担を減らす工夫をした方が良いでしょう。不便ですが、早く治すためなら致し方ありませんね。

※骨化性筋炎・・・発生した内出血から血腫が形成されて、そこにカルシウムが異常集積してしまい、筋肉の中に骨の様な異物が出来てしまうもの。出来ると症状が長引き、膝の屈曲可動性に問題をのこすことも少なくない。

④ 回復期治療

内出血や炎症が落ち着いたら回復期です。
次なるターゲットは「血腫吸収」と「断裂部の修復」です。どちらにとっても『血行促進』がカギになります。

したがって回復期では患部を温めたり、マッサージを行っていきます。痛まない範囲で行いますが、痛みがなくなれば少々強めに行って、血腫吸収を促進させます。(コリコリした硬結を小さくしよう)痛みの完全消失とともに軽いストレッチや負荷の少ない関節運動を始めて、徐々に負荷を上げていきましょう。入浴時に冷水を浴びる「交代浴」もお勧めです。

⑤ 復帰へ

柔軟性や筋力の回復と共に運動負荷を上げていきます。
例えば「歩行 ⇒ ジョグ ⇒ ダッシュ ⇒ ジャンプ ⇒ サイドステップ」のように段階的に行いましょう。運動後、熱を持ったりすることがあるので、その時は一旦冷却を行うなど、その都度対応してください。

ウォーミングアップやストレッチなどクールダウンもお忘れなく。
しばらくはサポーターやテーピングを使った方が良いでしょう。自分の身体と相談しながら、慎重に進めてくださいね。

治るまでの期間は、損傷程度や目標レベル(競技と日常生活は大きく異なる)、年齢などにもよりますが、軽度であれば2.3週、重症なものは数カ月要することもあります。とにかく期間中の再負傷だけは避けるようにしてくださいね。油断禁物ですよ。

⑥ 私見ですが

僕はできるだけ早く動いてもらいます。
もちろんリスクを踏まえた上で、動かせるところは動かすようにしてもらいます。その方が血行もよくなるし、新陳代謝も活発化します。実際に臨床の現場でも、(ケガを)気にしすぎずに活動する方の方が治りは早いです。

特にアスリートにはケガがチャンスとなることもあります。
普段なかなかできない部分を強化するチャンスです。ケガをきっかけに、スタビリティ(安定性)やモビリテイ(可動性)の強化に時間を費やせます。これらは動作パターンの基礎中の基礎なので、復帰を早めるだけでなく復帰後のパフォーマンスアップに間違いなくつながります。肉離れを機に、普段はなかなかできない基礎固めを行いましょう。

『怪我したことは仕方ない。そこから学び、チャンスに変えよう。』

故障に直面した時、こういう心構えでいることが何より大事だと考えています。

但し、活動的な人は無理して悪化させる傾向もありますのでくれぐれも慎重に。(^.^)

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