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院長コラム

第79回【圧縮で起こる腰痛】

更新日:

以前のコラム【腰痛を引き起こす力学的ストレス】で腰痛を引き起こす力学的ストレスの種類として

①伸張ストレス

②圧縮ストレス

③剪断ストレス

を挙げました。

前回は①伸張ストレスについて解説しました。

今回は②の 圧縮ストレスで起こる腰痛 について。

圧縮ストレス

圧縮ストレスとは文字通り、「押し縮められる力」のことです。

腰部にこの圧縮力がかかり、それによって引き起こされた腰痛が今回のテーマです。

この腰痛は当然元々圧縮ストレスを受けやすい場所に起こりますが、その場所はどこでしようか。

骨格を見れば一目瞭然ですね。

腰を支える柱は一本だけ。

背骨だけですね。

つまり、圧縮ストレスを受けるのはほとんど 腰椎 だと言うことです。

圧縮ストレスによる腰痛部位

したがって圧縮ストレスによって腰痛が起こる部位も自然と腰椎部分となります。

以前の説明の中で圧縮ストレスによる腰痛の原因となる部位について

・椎間関節

・椎間板

・椎体

・坐骨神経 や 上殿神経

とご紹介しました。

この内「坐骨神経・上殿神経」は、腰部での圧縮とは異なるのでここでは除外します。

他の「椎間関節」「椎間板」「椎体」は背骨の部分ですね。

ただ「椎間板」は「椎体」の上に載っているので同じ部位とも言えます。

以前書きましたが、
この腰椎に圧縮ストレスがかかる割合は「椎体・椎間板」に80%。

そして残り20%が「椎間関節」とされています。

上記は正常立位時の話。

姿勢によって変動するんです。

前屈みになれば腰椎(椎間板・椎体)の前部に、後に反らせば後部へとストレスは移動&増減します。

腰痛原因となる圧縮ストレスはこう言った変動と各部の構造的要因が絡み合ってつくられるのです。

各部についてそれぞれみていきましょう。

椎間板のはなし

まずは「椎間板」について。

椎間板は背骨の椎体と椎体の間に介在している軟骨です。

介在することで衝撃吸収や背骨のしなやかさに寄与しています。

その構造は中心部に存在する球体の「髄核」と髄核の周囲を取り囲む「線維輪」で構成されています。

「髄核」はゼリー状、「線維輪」はコラーゲンを多く含むなど成分的な違いがあります。

あくまでも簡単なイメージで言うと丸く硬いあんこの入った大判焼きといった感じかなぁ。

もちろん、大判焼きよりははるかに頑丈ですよ。

椎間板の機能

機能的な説明もしておきましょう。

「髄核」は硬い球体で、上に別の腰椎の椎体を載せています。

ボールの上に平らな板を載せているイメージでしょうか。

「髄核」が支点となって上の椎体が様々な方向に傾くのを助けています。

「線維輪」がこれをサポートします。

様々な方向への椎体の傾きとそれに伴う「髄核」の動きを固定しつつも
柔軟性を発揮することで程よく制限する役割を果たしています。

従って、背骨がしなやかに動かせるのはこの椎間板のおかげと言えます。

もしも背骨が骨だけならば、ぎこちない動きになることは言うまでもありませんね。

しかも痛そうだ。。

「椎間板」と聞くと「椎間板ヘルニア」を思い浮かべる方が多いと思います。

まさに椎間板ヘルニアこそが「圧縮ストレスによって起こされる腰痛」と言えます。

 

椎体のはなし

椎体についても触れておきましょう。

椎体はとても分厚い骨でできています。

中でも腰椎は下位になるほど大きくて頑丈に出来ているのがわかります。

引き受ける圧縮ストレスの大きさを物語っていますね。

椎体は中身もしっかりできています。

「骨梁(こつりょう)」と呼ばれる格子状の骨が張り巡らされていて、

方々からの圧縮ストレスに耐えられるようになっています。

そのためよっぽどなことが無いと壊れることはありませんが、
落下事故のような強大な衝撃を受けたり、骨そのものが弱くなっていたりすると
耐え切れずに「圧迫骨折」を起こしてしまいます。

これは「骨粗鬆症」の方に本当に多いですよね。
骨が弱くなるとちょっとした衝撃で骨折を起こすことが知られています。
中には自覚のない「いつのまにか骨折」なんていうのも。

椎間関節のはなし

最後に「椎間関節」について。

先に解説した通り、椎間関節にかかる圧縮ストレスは全体の20%程度です。

それほど大きくありませんね。

負荷は構造にも反映されていて、

「重さに耐える」と言うよりは「動きすぎないようにロック(制限)する」ようにできています。

ロックされる方向は、
身体を捻じる「回旋」身体を側方に傾ける「側屈」腰を後に反らす「伸展」です。

どの動きも椎間関節内の骨同士が接触することでロックされるのですが、
荷重時の圧縮ストレス下においてはその負担は大きくなります。

スポーツなどで強いロックが強要されたり、
何度も何度も繰り返されることによって骨折してしまうこともあります。

代表的なのが「腰椎分離症」と言うのですが、
腰の強い伸展や回旋が要求されるような競技にとても多い印象ですね。

また繰り返しかかるストレスから骨が変形を起こす、
「変形性腰椎症」となりやすい場所であることも記しておきましょう。

圧縮ストレスに負けない腰へ

各部位について説明してきました。

圧縮ストレスによって引き起こされる腰痛は、
ストレスのかかり方によって傷める部位が異なることが分かって頂けたのではないでしょうか。

私達は地球の引力を受け続けながら、つまり圧縮ストレスに曝されながら生活しています。

それは腰をはじめとした骨格の健康にも大きく影響しています。

いかにストレスを減らし、かつ、分散させるか。

その為に必要なのは姿勢と筋肉ですね。

良い姿勢を取ることは圧縮ストレスの集中を防いでくれます。

筋肉によって骨格全体への圧縮ストレスそのものを減らすことが出来ます。

これらを意識してトレーニングするのが「体幹トレーニング」と言われるものですね。

体幹の力をつけておくことは腰痛予防にもつながりますので、すべての方に実践してほしいことの一つです。

インターネット上でも色々と出てきますので、興味があれば是非お試しください。

まずは「お腹を凹ます」ことから(^J^)

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