機能強化の治療院

機能強化の治療院|くろしん接骨院

 03-6413-9033

混雑時など電話に出れないことがあります。

完全予約制

〒154-0022 世田谷区梅丘1-19-10 梅丘アームス1F

院長コラム

第63回【フットボーラーズアンクル】

投稿日:

63回【フットボーラーズアンクル】

 

今回は『フットボーラーズアンクル』について。

 

①『フットボーラーズアンクル』とは

 

フットボーラーズアンクルとは、サッカー選手に多くみられるスポーツ障害です。

有名選手がこれで手術の為に離脱したりと、サッカーファンなら聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

 

これは足首のトラブルで(足首を)酷使しすぎた結果、痛みは勿論、骨の変形なども招いてしまう障害です。

他競技でも起こり得ますが、やはりサッカーが代表格だと言えるでしょう。

 

② 何が起こっているの?

 

フットボーラーズアンクルとなった足首には骨の変形が起こっています。

 

キックやジャンプ着地などでは足首の曲げ伸ばし運動(底背屈)が強く行われますが、

これが過度な可動範囲で行われると足首の関節を構成する骨同士がぶつかったり、

関節が強制的に引き伸ばされたりして傷いてしまいます。

 

もちろんその傷は修復されていくのですが、それを何度も何度も繰り返すうちに修復が過度になり、

骨棘(こつきょく)と呼ばれる骨の出っ張りをつくってしまいます。

骨棘が出来ると当然骨同士が更に衝突しやすくなるわけで、衝突を繰り返すほど骨棘も育っていくリスクが高まります。

こうなると、まさに悪循環ですね。

 

 

③ フットボーラーズアンクルのリスク要因

 

フットボーラーズアンクルになりやすい要因としては

 

・サッカー、バレエ、フィギアスケートなど足首を大きく動かす競技

・足関節捻挫の既往

 

が挙げられます。

特に捻挫をしたことのある足首は、正常よりもゆるんでしまっています。

そのため不安定になりやすく、結果可動範囲が過剰に大きくなります。

その状態で足首を酷使する競技をしていると、このフットボーラーズアンクルになるリスクはとても高まります。

 

④ 症状

 

フットボーラーズアンクルの症状は以下の通り。

・圧痛(足首前面)

・運動時痛(キック・ジャンプ着地時など、足首の底背屈時に痛む)

・可動域制限(痛みによる底背屈制限 重傷例では骨の変形によるものも)

・腫脹&熱感(運動後など)

 

多くの場合は大きなきっかけもなく、いつの間にやら痛み始めて、気になりながらも競技し続けている選手が少なくありません。

運動中はあまり痛まず、それ以外の時に痛みを感じている選手も多いです。

 

出来ちゃうからこそ、無理を重ねて悪化していくことが多いのでしょう。

 

⑤ 治療

 

フットボーラーズアンクルの治療は、やはり「患部安静」です。

一旦競技を休止して、痛みを無くしてからの競技復帰が望ましいです。

 

しかし現実的に難しい場合も多いでしょう。

重症例でない場合は「出来ちゃう」ことがほとんどなので。

 

その場合は必ずテーピングなどで補強して、足首の可動を抑制してください。

特に痛む方向への可動性を制限するように補強してください。

そして運動後は必ず冷やしてください。

電気、超音波など物理療法等も有効です。

 

痛みが引けば足首強化も行いましょう。

特に捻挫の既往がある方は、足首がゆるんでいることがほとんどです。

(捻挫の時に)傷めた靭帯は元には戻りませんので、筋肉を鍛えて強化します。

 

足首強化法としては、チューブを足部に巻いて抵抗を加えながら足首を動かしたり、不安定なバランスクッションの上で片脚立ちをするようなトレーニングを行います。

 

足首の安定性が高まれば、悪化のリスクが下がります。

 

以上のように、フットボーラーズアンクルの治療は保存治療が基本ですが、重症例では手術の対象となりますので、できるだけ悪化させないようにご注意ください

 

 

⑥ 私見ですが

 

フットボーラーズアンクル予備軍の方は潜在的にとても多い様に感じます。

足首を捻挫したことがある方なんて決して珍しくない為当然なのかもしれません。

足関節捻挫の既往がある方で、背屈(つま先あげ)を強く行った時に、足首の前面が痛むような方は、フットボーラーズアンクル予備軍であることが疑われます。

なかでも「詰まるような」「ぶつかるような」と痛みを表現される方は強く疑われます。

 

多くの選手は、それでも騙し騙し競技を続けていますが、これは危険です。

上述のように、フットボーラーズアンクルが悪化すると足首の変形を進めてしまします。

変形が出来てしまうと、手術以外でそこを改善することはできません。

それ以外に骨の形を変えることはできませんので。

したがって悪化防止が大事です。

 

ある意味、「関節は消耗品」として考えてなるべく大事に使う。

テーピングなどで補強して痛みが出ない程度に運動をしましょう。

 

また、痛みの無い方でも、捻挫の既往があり、足首がゆるいと自覚がある方で、かつ、足首を良く使う競技をされている方も、やはり補強が大事です。

もし自分でわからない方は専門家に相談して足首のチェックやテーピング指導を行ってもらった方が無難でしょう。

 

足は二本脚の「基礎」にあたりますので、全身へ大きな影響を与えます。

足の崩れは、他部位のトラブルを招きますので、とにかく安定させましょう。

-院長コラム

Copyright© 機能強化の治療院|くろしん接骨院 , 2024 All Rights Reserved.